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家族が亡くなったら、安置場所まで遺体を搬送する

安置とは」でもご紹介している通り、家族が亡くなってからお葬式が行われるまでの間、決まった場所に遺体を安置する必要があります。日本では約9割が病院で亡くなると言われており、搬送の多くは病院から葬儀場の安置室、または自宅の一室となります。

病院で亡くなった場合、数時間の内に遺体を搬送する必要があり、まず一番先に決めなければならないのは遺体の安置場所です。お葬式を行う場合は、施行を依頼する葬儀社に遺体を安置することが多く、搬送も併せて依頼するのが一般的です。

お葬式を行わない場合でも、搬送だけ対応してくれる葬儀社もあります。他にも遺体の搬送だけを専門に行う搬送専門業者などもありますので、都合にあった業者に搬送を依頼すると良いでしょう。

法律上遺体は貨物となる

法律上、遺体は貨物扱いとなります。そのため、貨物輸送車両として認可を受けた車両以外での搬送は禁じられています。

陸運局から貨物輸送車両の認可を受けている車両は、緑のナンバープレートを付けています。
遺体を専門に搬送する車は寝台車と言って、一見普通のミニバンやステーションワゴンのような車が使用されていますが、緑のナンバープレートをつけたれっきとした貨物輸送車両なのです。

介護タクシーなどは座席後部にストレッチャーが備えられているものがあり、物理的には遺体の搬送が可能です。しかし法律上は貨物輸送車両ではないことから、使用すると違法になってしまいます。また、大型タクシーなども同様です。

 

自家用車で遺体を運べるか

そう考えると、貨物輸送車両として認可を受けていない自家用車で遺体を運ぶと法律に触れそうな気がします。しかし、実は法律では自家用車での遺体搬送を禁止していません。

但し、以下の通り注意点があります。

1)遺族が搬送すること

自家用車で搬送する場合は遺族が行う必要があります。

遺族以外が搬送を自家用車で行う場合は、前述の通り貨物輸送車両の認可が必要になります。

2)死亡診断書、またはそのコピーを携行する
場合によっては警察に事情を聴かれることがあります。専門車両以外での遺体の搬送は事件性が疑われることがあるからです。その際に遺族が遺体を搬送していることを証明する書類となります。

 

上記を満たせば、自家用車で遺体を搬送することに法律上の問題はありません。

 

自家用車で遺体を搬送する場合の注意点

法律に触れることはないものの、素人が遺体を搬送するには様々なリスクがあります。

感染症の問題

故人が感染症にかかっていた場合、遺体からの感染リスクがあります。
人が亡くなると病原菌も死滅すると考える人もいますが、一定期間は体内に残ります。手袋をつけるなどして、遺体に直接触れないようにしましょう。また、飛沫感染の可能性がある場合はマスクやフェイスシールドも用意したほうが安全でしょう。

遺体からの体液流出

搬送の際、遺体から体液が流出する可能性があります。

葬儀社や搬送専門業者の場合は、棺や特殊なシートを使って体液流出の対応をします。

遺族が自分で搬送する場合はそういった専用の道具が使えないため、布団や防水シートなどを用意する

必要があります。距離によってはドライアイスなどの準備も必要になるでしょう。

遺体を乗せるスペースがあるか

ミニバンやワゴンのように、運転席の後部に遺体を乗せるのに十分なスペースが確保できるかも重要です。セダンの場合はかなり難しいかもしれません。遺体は生前よりもかなり重く感じますから、ストレッチャーなどの道具を使わずに運ぶ場合は、成人男性が複数人で対応する必要があるでしょう。

どうやって固定するか

寝台車の場合はストレッチャーごと車に乗せてベルトで固定しますが、自家用車の場合はそういった道具がありません。シートや布団にくるんで乗せただけでは遺体が動いてしまい、遺体の損傷や体液流出の危険が高まります。そのため棺に入れるか、別の固定方法を考える必要がありますが、自家用車で棺を積めるスペースのある車はそう多くないでしょう。

上記の問題がクリアできれば、自家用車の遺体搬送自体は可能です。但し実際にはかなりハードルが高く、たいへんな作業なのが事実です。
自家用車での搬送を考えている場合は、上記の注意点を参考に複数の搬送手段を検討することをお勧めします。

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