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エンディングノートって何?

「エンディングノート」は遺言状とともに終活の柱の一つです。エンディングノートという言葉も2011年の流行語大賞にノミネートされ、書店などでは何種類ものエンディングノートが販売されるなど、身近な存在になってきています。ここではエンディングノートの役割や意味、記述する項目などを解説します。

遺言状との違い

広辞苑によると、遺言とは「死後のために物事を言い遺すこと。またその言葉」とされていますが、民法に規定された法制度のひとつとして位置づけられています。法に定められた方式で遺言を遺すことで、その内容は法的な拘束力を持つことになります。そのため遺言状は、相続など財産にかかわることを言い遺すことが主たる目的になります。

一方、エンディングノートは法や制度に基づくものではないため、自由な内容を自由な方式で書くことができるわけです。もちろん、エンディングノートに相続・財産にかかわることを書いても構いませんが、そこに法的な拘束力は発生しません。つまり、エンディングノートは遺族に何かを指示する、要求するということではなく、遺族に対する希望や自分の思いを伝えるものといえそうです。

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エンディングノートのもつ意味は

エンディングノートが流行語大賞にノミネートされた2011年は、東日本大震災が発生した年です。突然発生した天変地異をきっかけに、「死」を身近なものとして感じる人が増え始め、特に若い世代を中心にエンディングノートが売れ出したといわれています。現代は自分の身にいつ何時、何が起こるかわからない時代です。そんな時に、遺した家族の負担を少なくする、そして家族への感謝の気持ちを伝える、そんな役割をエンディングノートは持っているのです。

エンディングノートには何を書く

エンディングノートは形式や書き方に決まりはありません。人それぞれが家族に望むことや、自分の考え、思いを書けばよいのですが、一般的には次のような内容が多いようです。

自分が意思疎通能力を失ったときに延命措置を望むか否か

お葬式やお墓に関する希望

友人、知人のリスト

所有する資産のリスト(相続に関する法的拘束力はありません)

加入している保険、年金等の情報

遺品整理についての希望

自分のこれまでの歩み(自分史)

家族に対する感謝の思い

これらはいずれも、急に自分の身に何かあった時に、その対応や整理に家族が途方にくれる内容ばかりです。エンディングノートが遺されていたら、家族は悩んだり迷ったりすることなく、故人の希望に沿ってお葬式をとり行ったり、さまざまなことをスムースに整理することができます。元気なうちにエンディングノートを作成しておくことは、家族への大きな愛情のひとつなのです。アニメーション映画「サマーウォーズ」の中で、舞台となった陣内家の栄おばーちゃんが亡くなるシーンがあります。悲嘆にくれる家族の前に「家族へ」と表書きされた手紙がでてきます。その手紙にはお葬式への希望、家族への感謝の言葉、そして最後にお腹がすいたらご飯をお食べ、というメッセージが綴られています。これを聞いた家族たちは呆然とした状態から立ち直り、皆で食事をして行動を開始する、と続きます。この「家族へ」とう手紙もひとつの秀逸なエンディングノートだと感じました。まだエンディングノートを作成されてない方は、是非作成することを検討してみてはいかがでしょうか。

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エンディングノートに形式はない

決まった形式がないわけですから、普通のノートに書き込んだり、パソコンのワープロソフトを使って作成しプリントアウトしたものでも問題はありません。ですが、書店などにはさまざまなエンディングノートが販売されています。書きやすいように項目ごとに整理されているだけでなく、項目の解説や、もしもの時に役立つ情報が掲載されているものもあります。真っさらな状態からは、なかなか書きにくいもの。市販のエンディングノートを活用することを検討してみるのもよいでしょう。価格も決して高価ではありません。

また、最近では、PDFのエンディングノートや、Wordフォーマットのエンディングノートをダウンロードできるサービスを提供しているサイトもあります。「エンディングノート PDF」「エンディングノート Word」「エンディングノート 無料」などで検索するとさまざまなサイトがヒットしますので、ダウンロードしたもので作成するという方法もあります。

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