お葬式の準備
お葬式の準備
安置の費用
安置とは、臨終からお葬式を行うまでの間、遺体を保管しておくことです。遺体の主な安置場所は自宅と葬儀社の安置施設であり、遺族の様々な事情や意向によってどちらにするかを決定します。
それぞれのメリットとデメリットについては「遺体の安置設備の種類」でご紹介していますので、ここでは、費用についてご紹介します。
遺体の安置場所
人が亡くなった後、お通夜やお葬式をすぐに行うことはできません。通常は数日から1週間程度の時間が必要になるため、遺体を一時的に保管する場所を決める必要があります。
この期間に遺体を一時的に保管することを「安置」といいます。
日本では9割近くの人が病院で亡くなると言われていますが、病院で亡くなった場合、遺体は一時的に病院内の霊安室に保管されます。但し霊安室に保管できる時間は決して長くなく、通常は数時間以内に遺体を運び出さなければなりません。そのため家族が亡くなった時に一番初めにやらなければならないことは、安置場所を決めることです。
遺体を安置する場所の選択肢は、大きく分けて自宅、葬儀場の安置室、民間業者の安置室の3か所あります。以下に、それぞれの費用についてご紹介します。
自宅に安置する
自宅での安置は、費用面では一番低く抑えることができる方法です。
自宅で安置する場合、故人との最期の時間をゆっくりと過ごすことができます。自宅は、故人が生前の多くの時間を過ごした場所でもありますので、そういう意味でも自宅へ安置するのは良い方法でしょう。ただし、故人を安置するための十分なスペースを確保することが必要であることと、遺体の腐敗を進めないための処置を行う必要があります。
自宅に安置する場合は布団や枕飾りなどは自分たちで用意しなければなりませんが、安置そのものの費用はかかりません。
安置に必要なものと費用は以下の通りです。
●敷布団、掛け布団……故人のものを使えば無料
●顔にかける白い布……2,000~3,000円程度
●枕飾り……1~3万円程度
●線香、一膳飯、枕団子など……3,000円~5,000円程度
●ドライアイス……1日あたり5,000円~1万円程度
季節や地域にもよりますが、冬場であれば冷房設備のある部屋に安置することで、ある程度腐敗の進行を抑えることはできます。しかし夏場はドライアイスを使って保冷し、腐敗が急速に進まないように処置をしなければなりません。ドライアイスは1日あたり5,000円~1万円ほどかかり、安置の日数が増えればその分費用もかかります。
業者に依頼するよりも費用を抑えることができるぶん、全てを自分たちで行わなければならない点は心得ておきましょう。
但し、遺体の搬送を頼んだ葬儀社でお葬式を行う場合は、これら全てを葬儀社が準備してくれるので事前に葬儀社を決めておくと安心です。
また自宅がマンションなどの場合は、貨物用のエレベーターがあるかどうかも確認が必要です。遺体を住人用のエレベーターで運ぶことは難しいため、貨物用のエレベーターが無い場合は階段を使って運ぶ必要があります。この場合、搬送に割増料金がかかる可能性もあります。
安置費用そのものはかからなくとも、それ以外の費用がかさむ可能性があることは念頭に置いておきましょう。
葬儀場に安置する
自宅に十分なスペースを確保できない場合や、近隣住民の目が気になるような場合、既に葬儀社が決まっている場合などには、葬儀場の安置施設で遺体を安置することができます。
現在では、安置場所として最も多く選択されているのが、葬儀場に併設された安置施設で、個室になっている場合が多く、遺体の管理をしっかりと行ってもらえます。
費用は自宅で安置するよりはかかりますが、葬儀場で安置をする場合、必要なものは全て葬儀場で手配してもらえるため、自分で何かを用意しなくてはいけないということはありません。遺体の搬送から安置まで一貫して任せられる点が大きなメリットと言えます。
安置費用は葬儀場にもよりますが、1日30,000円~50,000円程度で、安置の日数が長くなればその分安置費用もかさみます。また、ドライアイスの費用が含まれている場合と別途の場合があります。
安置費用がパッケージプランに含まれているケースもありますので、契約前に詳細を確認すると良いでしょう。
また、遺族が宿泊する設備の一つが安置室になっている葬儀場もあります。安置の対応に追われず、故人のすぐ側でゆっくりとお別れができます。
この場合の安置費用は宿泊の費用に含まれることも多く、別途に安置費用を支払う必要が無い点もメリットと言えるでしょう。
葬儀場の安置施設を利用するのは一番合理的ではありますが、タイミングによっては安置室の空きが無い場合もあります。また長期の安置も難しく、エンバーミングを施して数週間安置をしたい場合などは、民間の安置業者に依頼する必要があります。
民間業者の安置室
自宅に遺体を安置するのが難しく、葬儀場が決まっていない、または安置室が空いていない場合は、民間の安置業者を利用するのも一つの手です。
搬送と安置をセットで提供している業者も多く、一時的に搬送・安置する場所を探している場合には、選択肢の一つになります。
家族と面会できるスペースが用意されていることもあり、お別れの時間を一緒に過ごすことが可能です。
但し、「安置」だけを専門に提供している点で他の二つの手段よりも費用が掛かる点で注意が必要です。
費用は施設によって幅があり、おおよそ30,000~100,000円程度で、日数が長くなればその分費用もかさみます。病院から安置施設までと、安置施設から葬儀場までの搬送費用は別途必要になり、こちらは距離によって決まります。
安置費用とは別に30,000円~100,000円の搬送費用を見込んでおく必要があるでしょう。
安置場所を決める際には費用もさることながら、どのようなスタイルの安置になるのか、何が含まれていて、別途にかかる費用にはどのようなものがあるのか、しっかりと確認することをおすすめします。