お葬式の準備
お葬式の準備
マンションに遺体を安置できる?
核家族化が進み、”親と子供でマンション住まい”というのは最近では一般的な暮らし方です。しかし、自分が亡くなった時、自分の遺体を自宅に安置できるか考えたことはあるでしょうか?ここでは、自分が亡くなった後の遺体の安置場所について考えてみましょう。
安置とは
安置とは、臨終からお葬式を行うまでの間、遺体を保管しておくことです。これについて詳しくは「安置とは」でご紹介していますが、安置するには場所を考えておく必要があります。
たいていは自宅か、葬儀場の安置室かのどちらかを選択することになりますが、最近は様々な住宅事情から自宅に安置することができず、葬儀場へ安置を依頼するケースが年々増加していると言われます。
高層住宅に棺を持ち込むには
マンションなどの高層住宅の場合、マンションの入り口から自宅玄関までの移動手段はエレベーターになります。
しかし多くのマンションのエレベーターで、棺が横に入る広さは確保されていません。マンションのエレベーターは住人が移動するためのもので、棺桶の搬入や搬出するためには設計されていないからです。
では、もし自宅に安置したい場合、マンションには安置できないのでしょうか?
●大きな荷物専用のエレベーター
マンションによっては、大きなものを昇降するためのエレベーターが用意されている場合があります。日頃は施錠されていますが、奥のスペースを広げられるような作りになっているエレベーターもあります。
最近ではこういった設備が完備されているマンションも多いので、管理会社に問い合わせてみると良いでしょう。
●専用エレベーターがない
築年数の古い高層住宅では、大きな荷物の昇降用の設備のないものも多くあります。高度成長期にこういった住宅を購入した世代が今まさに終活を考えている状態のため、切実な問題です。このような設備がない場合は、数人で棺を抱えて非常階段を使用して下ろしますが、高層階から一階まで下すのは至難の業です。
非常階段が狭く、カーブを回り切れない場合は狭いエレベーター内に立てる形で搬入・搬出を行うか、いったん遺体を昇降し、自宅やマンションの階下で改めて棺に遺体を収めるなど、大変な労力がかかることになってしまいます。
安置するスペースはあるか
自宅に搬入した場合、安置のスペースも必要です。仏壇があれば仏間に安置するのが一般的ですが、最近のマンションでは和室自体が無いことも多く、客間もないというケースも少なくありません。故人が使用していた寝室を使いたいところですが、ベッドが部屋の半分を占領していて棺のスペースがないということも十分に考えられます。
生活自体が洋式化してしまっているため、昔のように遺体を安置するスペースが確保できなくなっているのです。
自分の遺体をどうするべきか
このような事情から、葬儀場へ直接搬入、安置という選択をする人が年々増えているのが現状です。そのため、終活の一端として、自分の遺体をどこに安置するかを考え、家族に伝えておくと安心です。
もし自分の死後、そのまま葬儀場へ行くのではなく一度でも自宅に帰りたいと考えている場合は、その手段や費用がどのようなものかを調べて置き、家族に伝えておくと良いでしょう。
中には闘病生活が長かったせいで、故人が特に希望していない場合でも遺族が自宅に返してあげたいと考えることがあります。
その場合、昇降設備があれば問題ありませんが、そうでない場合は負担も大きいため、無理せず葬儀場に直接安置してほしい旨を伝えておくと良いでしょう。
最近の葬儀場では自宅の居間のような安置室を完備しているところがあり、遺族が宿泊できるようになっています。
ドライアイスなどの設備は葬儀社が用意してくれますので、遺族は煩わしいことは考えず、ゆっくりと故人と最期のお別れをすることができるようになっています。
終活の一つとして安置場所を考える
終活にあたって、自分の遺体の搬入・搬出から安置と言うのはなかなか思いの及ばないところではありますが、家族を亡くした後に遺族がやらなければならないことはたくさんあります。
その一つが「安置場所」であるわけですが、是非一度考えてみることをお勧めします。