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お葬式とは

一般に人が亡くなると、お葬式を執り行います。最近では家族葬が主流になるなど、小規模化の傾向があるお葬式ですが、そもそもなぜ行うのでしょうか?
お葬式とは、故人の死を悼み、その生前を偲び、冥福を祈るために行われる儀式です。それだけでなく、故人の家族や親族、友人、同僚などが故人を送るために集まる場でもあります。人は生まれてから亡くなるまでに、多くの人たちと関り、家族や友人を持ち、様々な歴史を残します。しかし、生存中はなかなかそれを振り返る機会はありません。
死は、生きることと同じくらい人生の重要な局面のひとつです。遺族たちは故人がこの世から去ったことを悼み、心の整理をするためにも、お葬式を執り行うのです。

日本のお葬式のなりたち

お葬式の儀式としての成り立ちには、宗教的な背景や文化的な影響などが多く、地域や国によって異なります。
日本におけるお葬式の歴史も同様で、古代から現代に至るまでさまざまな形態をとっています。
古代の日本では、死者を火葬して骨を納める「火葬」が主流でした。この方法は、死者の魂がまようことなくあの世へ向かうことを願い、また、地下に埋葬することができない山岳地帯に住む人々に適した方法でした。その後、平安時代に入ると、死者を地下に埋葬する「土葬」が広がり、死後の世界観が仏教的なものに変化していったとされています。

江戸時代に入ると、幕府が太政官から官制を定め、現在のようなお葬式が定着するようになりました。寺請制度が発令され、仏教の教えに添って、弔事を仏式で行うことが一般的になりました。庶民の間にも仏式でのお葬式が定着したのはこの時代です。

明治時代に入ると、明治政府によって寺請制度は廃止されました。西洋文化の影響を受け、棺や遺影、故人を祭壇にのせるスタイルなどが導入されました。また、明治以降には、仏教のほかに、キリスト教や神道などの宗教的な要素が取り入れられるようになりました。
しかし、江戸時代の寺請制度の影響は根強く、現代においてもお葬式は仏教の影響を色濃く受けています。仏教では、生きている間に悟りを開くことが大切であり、そのために修行や勉学が必要だとされています。そして、死を迎えた後も、次の生に向けての修行が必要であるとされています。そのため、死後も魂が安らかに次の世界に旅立てるように、葬式が執り行われるのです。

 

遺族にとってのお葬式

葬式は故人を送るだけでなく、生き残った家族や友人たちにとっても大きな意味を持ちます。故人が亡くなったことを受け入れ、心の整理をするためにも、葬式は重要な場となります。葬式を通して、故人を偲び、故人との思い出を共有することで、生き残った人たちの心の癒しにもつながります。

また、葬式は、故人を送り届ける場であるだけでなく、故人が生前に築いた人間関係を再確認するための場でもあります。故人が生前に築いたつながりを再び繋ぎ直し、家族や友人たちが互いに励まし合い、支え合うことができる場でもあります。

総じて、お葬式は、故人を偲ぶための場であり、生き残った人たちにとっては、故人との別れを迎え、心の整理をするための大切な場でもあります。そして、故人が安らかに旅立てるように、また、生き残った人たちが支え合えるように、葬式が行われるのです。詳しくはグリーフケアでご紹介していますので、参考にしてみて下さい。

現代のお葬式

最近では都心部を中心にお葬式の小規模化が進み、家族葬が主流になっています。その理由には、お葬式にかかる多大な費用の負担を少しでも減らすことや、日程調整や場所の確保といった物理的な制限の問題が深くかかわっていると言えます。

また2020年以降は新型コロナウィルスの感染拡大から、多くの人が一か所に集まることへのリスク回避も一因と言えるでしょう。
そのため火葬のみを行う「直葬」の選択を余儀なくされるケースもありましたが、一方で最期はきちんと見送りたいという思いも遺族にとっては捨てがたいものです。

お葬式を簡略化したために後悔を残したというケースも少なくありません。

大切な家族が旅立つ際には、後悔を残さない見送りをしたいものです。

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