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近年では地震や大規模な水害が発生し、懸命な救助活動もむなしく大切な家族を失うという悲しいニュースを聞く機会が増えました。

悲しいことですが、亡くなったという事実が確認できた場合にはお葬式を出し、遺骨をお墓に弔うことができます。しかし、もし大切な家族が行方不明のままだったらどうすれば良いのでしょうか?

ここでは、行方不明の家族のお葬式を行うかどうかについてと、行う場合の注意点についてご紹介します。

生死が確認できない状態

東日本大震災や西日本豪雨などの大規模な災害で大切な家族が行方不明となり、生存も死亡も確認できないという状況は決して他人事ではありません。

通常、戸籍上の死亡が認められるのは、医師の作成した死亡診断書、または死体検案書を役所に提出して受理されたときのみです。

遺体が発見されない状態では死亡診断書を作成することができないため、そのままにしていると戸籍上は生存しているとみなされ、100歳や200歳まで戸籍が残ることになります。

もちろん、生存が確認できないのは大規模災害に限った話ではありません。

失踪したまま自然死していたり、事件や犯罪に巻き込まれた変死など、状況は様々でしょう。

戸籍上は生存した状態であると、残された家族に生命保険が支払われなかったり、遺産相続の手続きができなかったり、年金や健康保険の支払いを継続しなければならないなど、様々なデメリットが発生してしまいます。

 

 

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失踪宣告を行って死亡届を提出する

 このような事態を避けるため、民法には「失踪宣告」という手続きがあります。これには「普通失踪」と「特別失踪」の二種類があり、対象は以下の通りです。

 

普通失踪

生死不明の状態が7年継続された場合、家庭裁判所に失踪宣告の手続きを行うことが出来ます。

 

特別失踪

死亡の原因となるような災害(戦争、地震、災害、船の沈没など)に遭遇した人がその後1年以上行方不明の状態が継続した場合は、家庭裁判所に失踪宣告の手続きを行うことができます。

また、状況によって死亡の確率が非常に高い場合には、失踪宣告を待たずに「認定死亡」を受けることも可能です。例えば船が沈没した場合など、遺体が確認できなくても生存の確率が非常に低い場合は、管轄の警察署や海上保安庁によって死亡が認定されます。

このようなケースでは、医師の死亡診断書や死体検案書を受ける必要がなく戸籍上の死亡が受理される仕組みになっています。

このようなケースでは、医師の死亡診断書や死体検案書を受ける必要がなく戸籍上の死亡が受理される仕組みになっています。

 

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遺体のないお葬式

こういった行方不明者のお葬式を行うかどうかは考え方次第ですが、故人をしっかりと送り出してあげたい、自分たちの気持ちに区切りをつけたいという理由からお葬式を希望するケースも多くあります。

その場合、「遺体が無い」状態でお葬式をどのように行うのか?といった疑問がありますが、お葬式は遺体に対して行う儀式ではないため、遺体が無くても行うことは可能です。

 

遺体の変わりに故人の思い出の品や位牌を

仏式の葬儀を希望する場合、菩提寺や葬儀社を通して寺院に依頼すれば、戒名をもらうことができます。その戒名を位牌に記し、それを祭壇において遺体や遺骨の変わりに儀式を行います。戒名をもらわない場合は、故人が大切にしていたものなどを故人の遺体に見立てて、祭壇に飾っても良いでしょう。

 

納棺や出棺の儀式は行わない

遺体が無いため、納棺、出棺、火葬などは行われません。その他の儀式は通常のお葬式と変わりなく執り行われます。

 

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もちろんお葬式は必ず行わなければいけないものでもありませんし、生存に希望を繋ぎたいと考える遺族もいるでしょう。

但し、「グリーフケアとお葬式」でもご紹介している通り、お葬式は家族の気持ちを整理するための大切な儀式の一つでもあります。

仏式や神式などの宗教葬ではなく、「お別れ会」のような形で親しい人たちに集まってもらう方法もあります。

行うべきか悩んでいる際は、一度葬儀社に相談してみるのも一つの手かもしれません。

 

 

 

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