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浄土真宗、天台宗、禅宗の寺院が多く存在する

文化庁の調べによると、滋賀県の寺院数は全国4位です。しかし人口10万人あたりの密度で言うと、全国1位になります。中でも浄土真宗天台宗の寺院が多いと言われています。浄土真宗は、親鸞聖人(しんらんしょうにん)が宗祖となって1224年頃に浄土宗から文派して開かれた宗派です。

浄土真宗は日本で最も信者が多いとされており、中でも奈良県、滋賀県、岐阜県、愛知県、北陸三県など、西に多く存在しています。

天台宗は最澄が日本に広めた宗派で、本山は京都市と滋賀県大津市にまたがる「比叡山延暦寺」です。

この影響から、大津市には京都のお葬式の習慣も多く見られます。
その他にも曹洞宗や臨済宗などの禅宗も多く、これらが地域の慣習と混ざり合って滋賀県のお葬式の特長を作り上げています。

おかみそりを行う

浄土真宗の信者が多いとされる滋賀県では、お葬式の中で「おかみそり」がよく行われています。

お葬式でおかみそり行うのは浄土真宗のみで、その他の宗派のお葬式では行われません。この儀式自体は宗派に関わらず出家の際に行われるものですが、お葬式で行うのは浄土真宗のみです。これには浄土真宗の教えが深くかかわっています。

浄土真宗の中心的な考え方として、「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」があり、それはその言葉の通り「人は往生すれば即座に仏になる」という考え方です。
往生する=亡くなると同時に仏になる、ということになりますので、故人の死は出家と同じ意味を持ち、他の宗派のように十王の裁きを受ける必要はありません。

そのためお葬式の中で出家の儀式である「おかみそり」を行い、仏の弟子となった故人が浄土へ旅立つのを見送るのです。

本来のおかみそりは剃髪の儀式ですが、お葬式の中で行われるおかみそりでは、本当に髪を剃ることはありません。僧侶が剃刀を3回頭にあてるのみで、剃髪の儀式とします。

この儀式によって、故人は正式に仏の弟子となるのです。

 

縁側や窓から出棺する

自宅でお葬式を行う場合、出棺は縁側や窓から行い、玄関を使用しない風習は各地にあります。滋賀県もその一つで、縁側があれば縁側から、なければ窓から出棺します。これは「逆さ事」の一つで、死を忌ごとと捉え、普通とは逆のことをするため、出入りに玄関を使うことを避けたものと考えられています。

逆さ事とは、通常の生活には存在しない”死”というものを意識し、死者の世界と日常を区別するために行われることを意味します。布団を上下逆にかける「逆さ布団」や、死に装束の襟を左前に重ねる「左前」などは良く知られる逆さ事です。生者の出入りする玄関を使者が使うのは不吉だという考えから、その逆として玄関以外の場所を使うようになったと考えられています。

但しこれは自宅でお葬式を行う場合のみで、葬儀場や寺院で行う場合はこの限りではありません。

粗飯料を渡す

これは滋賀県に留まらず、近畿地方で見られる慣習です。一般的にお葬式や法要のあとは「精進落とし」を行います。僧侶や参列者とともに会食をするもので、故人を偲んで宴を開くことで、故人の供養にもなると考えられています。

滋賀県でも会食を行うのですが、親族のみで行われることが多く、一般の参列者が精進落としに参加することはほとんどありません。

そのため食事代として、お葬式を手伝ってくれた近隣の人たちや知人に対して、お膳代として金銭を渡すのが「粗飯料(そはんりょう)」の始まりでした。その後会食に参加しない参列者全員に渡すようになり、金額は2,000円ほどです。僧侶が会食を辞退する際のお膳代とは少し相場が違いますので、注意が必要です。

「御膳代」と意味は同じですが、それを謙遜して表したものが「粗飯料」になります。滋賀県では、湖東地方で見られます。

 

このように、滋賀県は近隣の京都市や浄土真宗、天台宗などの宗派の特長をお葬式の習慣に色濃く残しています。
また、琵琶湖をはさんだ地域によっても習慣が異なるため、迷った際には葬儀社に確認すると良いでしょう。

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