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燭台の意味

燭台(しょくだい)とは、ロウソクを立てる台のことで、ロウソク立てとも呼ばれます。

現代では電気があるおかげで夜間でも灯りを得ることができますが、電気のない時代にはロウソクの灯りが暗闇を照らす手段の一つとして使われていました。燭台はこのロウソクを立てて火を灯すために使われるもので、様々な形をしたものが存在します。複数のロウソクを立てることができるものや、壁に掛けられるもの、持ち運びしやすいように取ってがついているものなど、用途によって形状は様々です。

また灯りを得る道具としてだけでなく、インテリアの一つとして装飾が施されたものも多く存在します。
仏教、神道、キリスト教などの宗教でも祭壇に必ずおかれる道具の一つで、特に仏教では故人を供養する道具である「三具足(さんぐそく・みつぐそく)」の一つで、仏事においてたいへん重要とされる道具になっています。また仏事だけでなく、茶道や花道などの伝統的な文化の中でも使われています。

 

燭台の歴史

世界最古の燭台が発見されたのはエジプトで、紀元前から使われていたと言われています。東洋では中国の戦国末期頃のものと考えられる墳墓から青銅製の燭台が見つかっており、日本に燭台が伝わったのは奈良時代に入ってからです。中国から仏教の伝来とともに伝わったとされており、輸入された蜜蝋ロウソクと合わせて蜜蝋燭台が使われていました。

平安時代に入って遣唐使が廃止とともに蜜蝋ロウソクの輸入が無くなり、代わりに松脂ロウソクが使われるようになりました。その他、櫨(はぜ)の実や木蝋、大豆など、植物性の蝋などが原材料として使われています。

 

三具足の一つである燭台

燭台は仏事で使われる「三具足」の一つで、花立て香炉と共にセットで使用する仏具です。「火立て」と呼ぶこともあります。

具足とは物事が十分に備わっていることを表す言葉で、三具足とはその言葉の通り必要な道具が三つ揃うことを差します。仏具の中でも特に重要であると考えられており、仏事や供養に欠かすことができません。どの宗派でも必ず使うため、一番はじめに揃える必要がある道具になります。

使い方は、三つの道具を本尊の前に並べて使います。それぞれに置く位置が決まっており、本尊に向かって左から花立て、香炉、燭台を並べ、故人が亡くなった直後に飾る「枕飾り」にも使用します。その他、花立てと燭台を二対にした五具足、仏飯器・湯呑・線香差しを加えた六具足、十一具足などもあります。

ロウソクが灯す灯りは様々な宗教の中で神聖なものとして扱われていますが、仏教でも例外ではありません。ロウソクは暗闇を照らしてくれますが、仏の教えがこの灯りのように人々を照らし、救いを与えてくれることの象徴と考えられています。また火は邪悪なものを払うと考えられているため、浄化や魔除けの意味も込められています。故人が浄土へと向かう際、暗闇でも迷わぬように道筋を照らす役目を果たすとも言われています。

このような理由から、燭台は大切な灯りを灯すために欠かせない道具として、重要な役割を担っているのです。

 

燭台の種類

燭台はさまざまな素材で作られていますが、三具足の燭台は真鍮製のものが多く使われています。その他には陶器製のものや、漆を摺り込んだ宣徳製などもあります。シンプルなものから、装飾や模様を施した美しい外観のものもあります。仏教のほとんどの宗派で使われる道具ですが、その素材や形状は宗派によって異なります。

 

ダルマ燭台

宗派を問わずに使える燭台で、ダルマを重ねたような形式になっています。多くが真鍮で作られており、金色の物もあれば黒塗りになっているものもあります。

鶴亀燭台

浄土真宗大谷派では、鶴と亀をあしらった燭台が使われており、これを「鶴亀燭台」と呼びます。
亀の背中に乗った鶴が口に蓮華をくわえる形になっており、蓮華の先にロウソク、または木ロウを立てて使用します。

歴史上では、室町時代にはこの形式のものがあったとされています。ただし同じ浄土真宗でも、本願寺派では特に決まりはありません。

その他の三具足である香炉、花立てについては以下でご紹介していますので参考にして下さい。

 

花立てとは

香炉とは

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