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枕経(まくらきょう)とは、臨終に際して行う仏教の儀式の一つです。最近では8割が病院で息を引き取ると言われ、枕経を省略するケースも増えてきました。

ここでは、枕経の意味と経の称え方について詳しくご紹介します。

枕経の意味

枕経は、亡くなっていく人が仏弟子となって往生できるように称える読経のことです。臨終に際して枕もとで行うため、枕経と呼ばれています。「まくらきょう」、「まくらぎょう」などと読まれます。

仏教の儀式ですので、神式やキリスト教式で行われることはありません。

仏にこの世での罪業の許しを乞い、極楽浄土へと迷わず向かえるようにとの願いを込めて称えます。

但し、浄土宗、浄土真宗では人は亡くなるとすぐさま極楽浄土へ召されると教えているため、故人の枕元で枕経を称えることはありません。枕勤め(臨終勧行)と言って、仏壇か掛軸の本尊に向かって読経します。

 

枕経02

枕経の現在

昔は自宅で亡くなる人が多かったため、危篤を知らされたら親族が集まり、僧侶を呼んで亡くなっていく人の枕もとで経を称えました。

最近では死後すぐの儀式として行われることが増えており、危篤から臨終の間に枕経を行うことは徐々に減ってきています。また、自宅に安置する場所がないなどの理由から、省略したり仮通夜やお通夜と同時に行なったりするケースも増えているようです。

最近では省略されることが増えている枕経ですが、故人をしっかりと送り出したいと考える場合は、是非行いたい儀式の一つです。

但し、枕経に立ち会う機会はそう多くはありませんので、どのようにすれば良いか分からない事も多いでしょう。以下に枕経を行う場合の一般的な手順をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。

 

枕経03

遺体の安置

臨終のあと、遺体を安置する場所を決めて搬送します。


菩提寺、または葬儀社に依頼

菩提寺があれば菩提寺へ、無い場合は葬儀社に連絡して手配を依頼します。菩提寺に連絡してみたら、どうしても都合が合わないといったこともあるかもしれません。その際も、まずは葬儀社に連絡してみて下さい。


遺体の安置

遺体を北枕にして安置します。自宅の場合はできるだけ広めの部屋が望ましいでしょう。葬儀施設で安置する場合は葬儀社の指示に従います。

 

枕飾りの設置

祭壇は必要なく、枕元に枕飾りを設置します。枕飾りは白木の台を用意して、香炉、蝋燭立て、花瓶の三具足と言われる道具や、枕団子、一膳飯などを供えます。葬儀社に依頼すれば一式揃えてくれますので、別途手配をする必要はありません。僧侶が座る場所に座布団を用意しておきましょう。

 

枕経

僧侶に枕経を上げてもらいます。時間は大体30分程度です。
枕経に立ち会うのは基本的には遺族のみで、親戚を呼ぶ必要はありません。

 

終了後

戒名やお葬式の日取りの相談をします。

枕経をお願いするにあたって、喪服に着替える必要はありません。平服で構いませんが、アクセサリーや派手な色の服装は避け、地味な色合いの服を選ぶようにしましょう。また、数珠だけは用意しておきましょう。

 

枕経01

枕経のお布施

枕経単独でお布施を支払う必要はありません。枕経をお願いする場合はお通夜やお葬式も併せてお願いすることになりますので、お布施は枕経、お通夜、お葬式すべてに対しての金額を渡せば問題ありません。

但しお車代だけは別途渡す必要がありますので、5,000~10,000円程度を目安に「お車代」と書いた封筒に入れて渡すと良いでしょう。送迎タクシーなどを使う場合は、関係者がその費用を支払えば、お車代を渡す必要はありません。

立ち会うのは遺族のみであることから、経験することの少ない「枕経」ですが、行いたい場合は是非参考にしてみて下さい。

 

 

 

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