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曹洞宗の開祖

曹洞宗は鎌倉中期に道元禅師(どうげんぜんし)によって日本に伝えられた鎌倉仏教の一つです。道元は比叡山で経を学んだのち中国の宋に渡り、曹洞禅を習得して帰国しました。
帰国後は正しい坐禅の作法と教えを広めるために「普勧坐禅儀(ふかんざぜんぎ)」を書き、のちに宇治に興聖寺(こうしょうじ)を建立して曹洞宗の祖を築きました。
その後、石川県の大乗寺住職となった瑩山禅師(けいざんぜんし)によって、曹洞宗として全国に広められました。

曹洞宗の特徴

曹洞宗の特徴の一つとして、「一仏両祖」が挙げられます。開祖は一人なのが一般的ですが、曹洞宗では中国で禅宗を学び日本に持ち帰った道元禅師を開祖、その教えを学び日本で広めた瑩山禅師を宗祖とし、「両祖」としています。このため、曹洞宗では本尊である「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ) 」とともに、「一仏両祖」として仰がれています。
「禅宗」の名の通り、禅を組むことを基本としているのも曹洞宗の特徴です。釈迦が座禅によって悟りを開いたとされることに由来しており、禅によって身体と心を安定させ、心身の調和を図ることに重きを置いています。
曹洞宗の坐禅は「只管打坐(しかんたざ)」と言われ、ひたすらに坐ることを重視した座禅であることも特徴の一つでしょう。道元禅師は座禅を組んでいるときだけでなく、日常生活の中でも座禅の精神を持って過ごすことを説いています。
同じ禅宗でも臨済宗と違うのは、臨済宗が座禅を悟りの手段の一つと考えているのに対し、曹洞宗では座禅そのものが悟りの姿としているところです。

曹洞宗01

開祖

道元禅師

宗祖

瑩山禅師

本山

福井県  大本山永平寺

神奈川県 大本山總持寺

経典

般若心経

曹洞宗02

曹洞宗のお葬式

曹洞宗では、お葬式を釈迦の弟子となる儀式と捉えています。そのため、お葬式は「受戒」と「引導」を中心に進むのが特徴です。
臨済宗は同じ禅宗であるため、お葬式の流れや作法がよく似ていますが、改めてご紹介します。

曹洞宗のお葬式の流れ

剃髪
出家の儀式として剃髪を行います。但し、剃刀を当てるだけで本当に剃ることは減っているようです。

受戒
受戒では主に以下の儀式を行います。

・懺悔文(さんげもん)
生前に犯した罪を悔い改めます

・三帰戒文(さんきかいもん)
釈迦の教えを守り、仏門に帰依することを誓います

・三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)

・十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)
用意された法性水を位牌や導師自らの頭に注ぎます

・血脈授与
釈迦から故人までの法の系図を記したものを血脈と呼び、霊前に供えます。

入棺諷経(にゅうかんふぎん)
大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)と回向文を唱えますこの間に参列者の焼香が行われます。

龕前念誦(がんぜんねんじゅ)
故人の成仏を祈って導師が「十仏名(じゅうぶつみょう)」を唱和し、回向文を唱えます

挙龕念誦(こがんねんじゅ)
経を称えながら太鼓や鐃祓(にょうはつ)を鳴らす鼓鈸三通(くはつさんつう)を行います。

引導法語(いんどうほうご)
出棺に向けて棺の前に立った導師によって法語が読まれます

山頭念誦(さんとうねんじゅ)
火葬場に向けて故人の悟りを祈願します

読経
般若心経

数珠
主玉が108個、親玉が1個の二重タイプが一般的。左手の4本にかけて右手を揃えるのが正式な持ち方です。

焼香

合掌、一礼します。
一歩前に出てお香を一つまみし、額に押し抱いてから香炉にくべます。
二回目は一つまみしたあと額に押し抱かず、そのまま香炉にくべます。
(二回目は省略することがあります)

曹洞宗は他の禅宗二派と同じくお葬式の流れが少し変わっています。特に焼香に関しては略式で行うかどうか参列者には判断しにくいため、葬儀場のスタッフに事前に確認しておくと安心です。

曹洞宗03

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