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弔慰金の意味

弔慰金は、家族を亡くして生活の支えを無くし、出費の増える遺族を支えるために支払われる見舞金です。遺族年金などのように毎月支払われるものではなく一時金として支払われるものですが、性質としては「お悔やみ」であるため、基本的に相続の対象ではなく、非課税です。

弔慰金の種類

弔慰金には民間企業が支払うものと、国や自治体が支払う公的なものがあります。

 

企業弔慰金

従業員が死亡した時、企業がその遺族に対して支払うものです。従業員本人ではなく、家族が死亡した際に見舞金として支払われる場合もあります。

全ての企業が導入している制度ではなく、弔慰金の制度を持つ日本企業は全体の7~8割程度と言われており、金額は企業によって異なりますが、相場は10万円~1,000万円と、かなり幅があります。

労務行政研究所の2017年の統計によると、100万円の支給が30%近くで、一番のボリュームゾーンとなっており、企業によって一律の定額で支給する場合と、勤続年数に応じて支給する場合があります。

弔慰金の制度を持つ企業の半数近くは正規・非正規にかかわらず支払う決まりとなっていますが、企業によっては非正規従業員を対象外としている場合もあります。

企業が団体保険に加入しているかどうかにもよって金額が変わりますが、大企業の方が団体保険に加入している可能性が高く、死亡弔慰金の金額も高くなる傾向があります。

社会保険制度と比べると弔慰金は必ず導入しなければいけないものでなく、任意です。そのため制度が無かったとしても、法的な罰則があるわけではありません。

 

災害弔慰金

公的な弔慰金の中でも代表的なものが災害弔慰金です。実施の主体は市区町村となっており、以下の基準を満たした場合に支給されます。

・1市町村において住居が5世帯以上滅失した災害

・都道府県内において住居が5世帯以上滅失した市町村が3以上ある場合の災害

・都道府県内において災害救助法が適用された市町村が1以上ある場合の災害

・災害救助法が適用された市町村をその区域内に含む都道府県が2以上ある場合の災害

受給対象者は死亡者の配偶者、子、父母、孫、祖父母が優先となっており、いずれもいない場合は生計を同じくする兄弟姉妹が受給対象者となります。

 

支給額は以下の通りで、費用の半分は国が、残りを都道府県と市区町村が半分ずつ負担します。

 

生計維持者が死亡した場合 500万円
その他の者が死亡した場合 250万円

※内閣府 災害弔慰金、災害障害見舞金の概要から抜粋

 

・特別弔慰金

戦没者の遺族に支給されるのが特別弔慰金です。

終戦20周年にあたる昭和40年から、10年ごとに支払われていましたが、昭和54年からは新たに対象となる遺族に対して4年ごとに支払われています。

対象は戦没者等の死亡当時の遺族で、基準日(請求開始日)において「恩給法による公務扶助料」や「戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金」等を受ける方(戦没者等の妻や父母等)がいない場合に、戦没者の子を筆頭に父母、孫、祖父母の順に受給権があります。

支給内容は額面24万円の6年償還の記名国債です。

支給年の4月1日から翌年4月2日までが請求期間となっており、期間内に請求しなければ時効となります。時効になると請求権利が消滅してしまうため、忘れずに請求する必要があります。

※厚生労働省 「政策についてより」抜粋

弔慰金にかかる税金

弔慰金は企業や国から支給する「お悔やみ」であり、所得や相続とは別のものと考えられています。そのため原則非課税で、相続税や所得税の対象にはなりません。

国税庁では「社会通念上相当と認められるもの」に対しては所得税及び贈与税を貸さないと定めており、税法上で葬祭料、または香典料と見なされています。

但し、一定の条件や金額を超えると課税の対象になるため注意が必要です。

以下、相続税の対象になる場合です。

  • 被相続人の雇用主などから弔慰金などの名目で受け取った金銭などのうち、実質上退職手当金等に該当すると認められる部分
  • 被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき)

被相続人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する額を超える部分

  • 被相続人の死亡が業務上の死亡でないとき)

被相続人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する額

※国税庁 「弔慰金を受け取ったときの取扱いより」抜粋

 

相続税法で言う「普通給与」とは、基本給に勤務地手当、特殊勤務手当などを加えた合計金額を指します。

弔慰金の申請方法

必要な書類は企業によって異なりますが、以下の書類を求められることが多いようです。
1.申請者の身分証明証(免許証、健康保険証など)の写し
2.死亡者の死亡を証明するもの(死亡届、死亡証明書、検死証明書、埋(火)葬許可証など)の写し

3.申請者と死亡者の関係を証明する書類(戸籍謄本、住民表など)

 

災害弔慰金の場合は、災害で亡くなったことを証明する書類を自治体に発行してもらう必要があります。

詳しい弔慰金の申請方法については、企業の総務部や各市区町村の窓口に問い合わせてみて下さい。

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