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「葬祭ディレクター」という資格をご存知でしょうか?
結婚式に「ウエディングプランナー」がいるように、お葬式にも「プランナー」がいます。その知識や技能のレベルを示すのが「葬祭ディレクター」という資格で、お葬式のスペシャリストであることの証明でもあります。
大切な家族の最後の儀式を行うにあたっては、誰もが経験も知識も豊富なスタッフに頼みたいと思うもの。そんな「葬祭ディレクター」とはどんな人たちなのでしょうか。

スペシャリストであることの証明

「葬祭ディレクター」は、「葬祭ディレクター技能審査協会」という民間の団体が認定する資格で、一級と二級があります。国家資格というわけではありませんが、厚生労働省が認定した受験内容に沿ったの資格ですので、質が高いことは間違いありません。
平成7年に開始し、20年を超える歴史の中で3万人近い資格取得者が生まれ、今では葬儀従事関係者の中でも、資格をもったスタッフが30~40%を占めていると言われます。

受験の条件や詳細は以下のようになっています。

 

  受験資格 技能審査の内容 行える葬儀 合格率
一級葬祭ディレクター 葬祭実務経験5年以上、または二級合格後2年以上の葬祭実務経験者 全ての葬儀における相談、会場設営、式典運営等の葬祭サービスの詳細な知識と技能について、学科試験と実技試験を実施 個人葬

社葬

50~60%
二級葬祭ディレクター 葬祭実務経験2年以上 個人葬における相談、会場設営、式典運営等の葬祭サービスの一般的な知識と技能について、学科試験と実技試験を実施 個人葬 70%前後

 

このように、実務経験の年数にも規定があり、一級を受験するには最低でも4年以上の経験が必須です。合格率が50~60%と聞くと、半分以上は受かるという印象を受けるかもしれませんが、「5年以上の実務経験がある中でも半数近くは合格しない」と考えてみると、難易度が高いことが分かります。
一級葬祭ディレクターの肩書を持つ人は知識面でも経験面でも、遺族の希望に十分応えられる人物であるということになります。

 

葬祭ディレクター3

葬祭ディレクターの仕事とは?

一口に「お葬式の仕事」といっても、その内容は多岐にわたります。
お通夜からお葬式を担当するディレクターの仕事を例にとってみると、大まかに以下のような内容があります。

 

ご遺体搬送、安置の手配
ご遺族の相談の対応、見積もり作成
宗教、宗派の確認、僧侶の紹介
宗教者との打ち合わせ
日程の調整、火葬場の手配
会場設営指示、必要資材の調達
生花の手配、遺影写真の手配
料理、飲み物、返礼品の確認、発注
お通夜、お葬式の司会進行

 

ざっと流れを見てみても、その仕事内容が多岐にわたっていることが分かります。
自由な発想で行うことが増えたとは言っても、まだまだお葬式には古いしきたりが多く残っていますから、お通夜、お葬式と2日間で行う儀式の中には知っていなければならないことがたくさんあります。利用者からの質問や疑問に対しても明瞭な返事やアドバイスができなければ、信頼を得ることはできません。
お葬式は冠婚葬祭の中でも「お別れと悲しみの儀式」であることもあり、振る舞いや言動も重要です。そういった評価内容も試験に含まれているようです。
「葬祭ディレクター」とは、各宗派のしきたりや決まりなどに精通していることはもちろんのこと、地域社会や家族のありかたの変化を考えたうえで臨機応変な対応ができ、そのうえで遺族の気持ちを汲み取って行動ができる、とても頼りになるお葬式のスペシャリストなのです。

 

葬祭ディレクター2

資格は安心の一つの目安

大切な家族を送るお葬式を行うにあたっては、信頼できる担当者にお願いしたいものです。
もちろん葬儀業界で仕事をするにあたっては、必ずしも資格が必要というわけではありません。そのため、お葬式に関してはスペシャリストでも、受験をしていないというだけで資格を保有していないスタッフもたくさんいます。
資格は一つの目安であって、資格を取得していないスタッフは信頼に値しない、ということではありません。最終的には遺族の気持ちと真摯に向き合う人間性が大切になるのは間違いないでしょう。
もし資格保有者の確認をしたい場合は、ネームバッジが目印になるようです。一級は金色のネームバッジ、二級は銀色のネームバッジをつけていますので、確認してみると良いでしょう。

 

葬祭ディレクター4

 

 

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