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長寿銭とは?

長寿銭とは、群馬・埼玉など北関東の一部、また千葉の一部などで残るお葬式の風習の一つです。静岡県の一部でもその風習が残る地域があるようです。
故人が長寿だった場合、天寿を全うしたお祝いとして「長生き」の願いを込めて、会葬者に小銭を入れた祝儀袋を配る習慣です。
故人が長寿であったことのお祝いと、会葬者も故人の長寿にあやかって長生きができるようにとの願いを込めて、遺族がお金を配るのです。

この習慣は群馬や埼玉全域で必ず行われているというわけではなく、同じ北関東でも行われていない地域もあります。
長寿銭自体は宗教儀式ではありませんので、宗教や宗派に関係なく行われる地域に根差した風習の一つです。

 

何歳だったら長寿?

では何歳まで生きたら長寿だと言えるかというと、特に基準があるわけではありません。
遺族が「長寿だった」と思えば長寿ですし、そう思わなければ無理に配る必要はありません。
80歳以上なら長寿だと考える人もいれば、90歳を超えて初めて長寿だと考える人もいて、その考え方は実に様々です。
悲しいはずのお葬式で「長寿のお祝い」と聞くと、不思議な感じがするかもしれません。

もちろん遺族にとって大切な家族との別れは悲しいことですが、そのような中でも故人が天寿を全うしたことを称え、それを会葬者にもあやかって、長生きと縁があることを願って配る長寿銭は、死を前向に捉えた風習と言えるのではないでしょうか。

 

長寿銭の渡し方

長寿銭は、返礼品と一緒に、祝儀袋に入れたお金を配ります。
入れるお金は5円玉、10円玉、50円玉100円玉、500円玉などの小銭1枚で、複数の小銭やお札を入れることは無いようです。地域によって違いがあり、5円玉、50円玉などの穴あき銭を使う場所もあれば、穴あき銭に特にこだわらない地域もあります。

小銭の種類にも特に決まりはなく、それぞれに意味を合わせて送ることが多いようです。例えば5円玉には、語呂合わせで「ご縁があるように」との願いを込めることがありますが、5円玉を使う場合は「長寿との縁」を願って配るようです。

同じ考えで、50円玉には長寿に五重の縁があるとか、10円玉には「故人が十分に生きた」、また会葬者にも「十分に生きられるように」などの願いを込めて贈るようです。
長寿銭は、縁起物です。そのため、お金を入れる袋も無地のものではなく、赤と白の水引の描かれたものに入れられています。

 

長寿銭の使い方

長寿銭をもらったら、どう扱えば良いのか悩む人も多いでしょう。

縁起物として財布に入れておく人もいれば、仏壇に飾ったり、大切にしまっておく人もいます。使い方に特に決まりがあるわけではなく、もらった人が自由にして良いものです。必ず保存しなければいけないという事はありませんので、普通に買い物などに使ってもかまいません。

これは地域によっても違いがあるようで、もらったらその日のうちに使うことが良いとされている地域もあれば、高齢の家族や親戚に縁起物として渡すこともあるようです。基本的には、「長寿にあやかる」縁起物として、使い方に関しても特に決まりはなく、もらった人が自由に使って良いようです。

もし長寿銭をもらったら、自分なりの使い方を考えてみても良いかもしれません。

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