お葬式の豆知識
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享年と行年とは
葬儀やお墓をたてる際にしばしば話題にあがるのが、故人の年齢です。年齢の数え方には「享年」と「行年」がありますが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。どちらも聞き覚えのある言葉ですが、詳しくは分からないという人も多いでしょう。ここでは、享年と行年の意味や使われ方をご紹介します。
享年(きょうねん)と行年(ぎょうねん)
●享年とは
享年は「天から享(う)けた年月」という意味があります。この世に存在していた年数を表し、”何年生きたか”を表す数字です。享年には0歳という概念がないため、生まれた年を1才として数えます。
享年は、寺院に入れるお墓や位牌などに使用されることが多くありました。日本には、還暦や米寿などの節目に長生きしたことをお祝いする風習があります。長生きは良いことだという考えが故人の年齢を数える際にも反映され、享年を刻むことが多かったようです。
●行年とは
行年も享年と同じように、「このように生まれてからどのくらい経過したか」を数えた数字です。数え方は、享年と同じです。行年は、霊園や墓地などで使用されることが多い傾向がありましたが、現在では厳密な決まりはないようです。
一見同じように見える享年と行年ですが、享年は生きた年月、行年は生きた年であるという点に違いがあります。このような違いから、享年を記載する場合は才をつけず「享年〇〇」、行年の場合は「行年〇〇才」と記載するのが正式な記載方法です。
●享年と行年はどう使い分けるのか
では、お墓や位牌に刻む場合、享年と行年、あるいは満年齢のどれを刻めばよいのでしょうか。これは迷うところかと思いますが、実際どれが正しいという基準はありません。また、分かりやすい方を選ぼうという考えから、享年や行年ではなく、満年齢を刻む住職さんも増えています。もし菩提寺があるような場合は、ご先祖様と揃えて作成するのがよいでしょう。何を使うか迷った場合は、お寺や葬儀社、地域のことをよく知っている知人などに聞いてみましょう。
享年 | 行年 | 満年齢 | |
定義 | 天から享けた年月 | 生きた年 | 現在の年齢 |
数え方 | 生まれた年を1才として数える | 生まれた年を1才としえ数える | 生まれた年を0才としえ数える |
増え方 | 年が変わるごとに増える | 年が変わるごとに増える | 誕生日ごとに増える |
書き方 | 享年〇〇 | 行年〇〇才 | 満〇〇才 |
数え年の数え方
生まれた年を1才として数える数え年は、満年齢に1をプラスすればよいと思われがちでが、厳密には誕生日と年の変わり目で若干の違いがあります。
数え年は、生まれた歳を1才とし、年が変わると1才年を重ねるという考え方です。
例えば、2020年8月5日で満3才の子は、2020年12月31日までは数え年で4才、2021年1月1日から2022年8月4日までは数え年で5才ということになります。
誕生日を迎えるまでは「満年齢+1才」、誕生日を迎えてからは「満年齢+2才」と考えると分かりやすいでしょう。