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音楽葬とは

音楽葬とは自由葬の一つで、音楽を中心にしたお葬式の形式のことです。故人や遺族の好みに合わせて音楽を活用し、故人を追悼します。無宗教で行うことが多いため、日本で最も多いと言われる仏式のお葬式のように読経はなく、音楽で故人を送り出すのが特徴です。音楽葬は自由葬の中でも選ばれることが多く、自由葬の代表格といっていいでしょう。

一口に音楽葬と言っても内容は様々で、故人が好きだった音楽を生演奏することもあれば、CDや音楽データを流しながら故人とのお別れをします。宗教者を招かずに、読経・お祈りなどが一切ないケースが多いようですが、僧侶や神主、神父・牧師など宗教者の理解さえ得られれば、仏式や神式、キリスト教式のお葬式の中に音楽を流すことも可能です。

 

音楽葬が増えている理由

なぜ最近音楽葬が増えているのでしょうか?それにはいくつか理由があります。

 

檀家離れ

日本で行われるお葬式は9割が仏式と言われますが、それに反して日本人の8割が無宗教であると言われています。寺の檀家になってお墓の管理やお葬式・法要などの弔事をお任せする「檀家」は、江戸時代に制定された寺請制度によって始まり、1871年に廃止されたあとも代々受け継がれて来ました。

しかし近年少子化による後継者不足の問題もあり、先祖代々の墓を閉じる「墓じまい」が徐々に増え、檀家を辞める家庭が増えて来たのです。

檀家を離れれば宗教や宗派に縛られる必要は無く、お葬式の形式は自由に選択できます。なかでも音楽を使った「音楽葬」は、音楽そのものが遺族の心を癒してくれるだけでなく、故人が好きだった音楽を聴くことで故人との思い出を回想することができるため、多くの遺族に選択されているのです。

 

葬儀場の無料見学会

最近では、多くの葬儀場で無料見学会を実施しています。
ひと昔前までは、生前にお葬式の話をすると「縁起が悪い」と言われ、タブー視されていました。お葬式やお墓の話をしたり、準備を始めたりすると死期が早まると考えられていたためです。そのため死に直面して初めて準備することが多く、知識も備えもなく、あわただしくお葬式をすることがほとんどでした。満足できるお葬式になることもあれば、もっと準備しておけば良かったと後悔を残すことも多くありました。

 

しかし最近では、自分らしいお葬式をしたいとか、費用面で家族に負担をかけたくないと言った理由から、積極的に情報収集を行うケースが増えています。

こういった行動に合わせ、葬儀場でも情報収集を希望する人たちに向けて多くの情報を発信しています。

その中の一つが無料見学会で、施設の見学のみならず、模擬お葬式への参加も可能で、音楽葬はよく行われる模擬お葬式の一つです。
その体験から、家族を音楽で見送りたいと考える人が増えているというのも、一つの原因です。

 

音楽葬で流れる音楽

音楽葬では実際にどのような音楽が流れるのでしょうか。

特にジャンルの決まりはありませんが、お葬式と言う厳かな場でもあり、クラシックが選択されることが多いようです。但し、ロックやレゲエ、ポップや歌謡曲などでも問題はありません。なにより故人が好きだった曲を流してあげることが、一番の供養になります。

CDで流しても良いですし、斎場に依頼すれば演者を呼んで生演奏してもらうことも可能です。故人が生前に趣味でバンドを組んでいたりした場合、そのメンバーに演奏を依頼するケースもあります。その場合、式の中に3~4曲程度のミニコンサートを組み込むのも良いでしょう。

音楽葬の流れ

音楽葬の場合、仏式のお葬式のように決まった流れはありません。自由に組立が可能なため、故人の好みなどを元に葬儀社に相談しながら作り上げていきます。

とは言え、大まかな流れはありますので、以下に一般的な音楽葬の流れをご紹介します。

 

1. 開場→入場 (開場の音楽)
2. 司会者による開式の挨拶
3. 黙祷
4. 親族、または友人などからの弔辞
5. 音楽と共に故人の紹介、または生演奏
6. 音楽、または生演奏とともに献花
7.
喪主の挨拶
8. 司会者による閉式の挨拶
9. 出棺

 

上記はおおまかな流れではありますが、前述の通り組立は自由です。また宗教的な儀式を全て無くす必要は無く、宗教者の了承さえ得られれば読経やお祈りも可能です。

 

音楽葬を行う際の注意点

音楽葬を行う場合というよりも、無宗教でお葬式を行う場合はいくつか注意が必要です。檀家になっている場合、宗教者にお葬式を依頼して戒名などをもらわないと、遺骨を墓地に埋葬してもらえない場合があるからです。その場合、仏式のお葬式に音楽を組み込んでもらえないか、まずは相談してみることをお勧めします。

また、多くのお葬式が仏式で行われている状況の中で、無宗教でお葬式を行うことに対し、よく思わない親族もいるかもしれません。親族間のトラブルを防ぐためにも、音楽葬であることを事前に伝えておくと良いでしょう。

無宗教で音楽葬を行う場合は、斎場を利用することがほとんどです。様々なお葬式を手掛けている葬儀社ではトラブルになるケースについてもよく心得ていますので、確認すべき内容について相談することをお勧めします。


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