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日蓮宗のなりたち

開祖は「日蓮聖人」

日蓮宗は、日蓮聖人によって開かれた宗派です。開祖の名前がそのまま宗派の名前に使われているのは日蓮宗だけ。このことからも、日蓮宗を広めた日蓮の存在がどのくらい大きかったのかが想像できます。

日蓮は鎌倉時代に生まれ、12歳のときに清澄寺へ入山します。21歳から10年ほどの間は京都や奈良を渡り歩き、仏教の教えを学びました。32歳になったとき、お釈迦様が説かれた「法華経(ほけきょう)」の教えこそが真の教えであることにたどりつき、日蓮という名で法華経の教えを広めていきました。

日蓮宗01

法華経とは

法華経は、お釈迦様が説かれた教えのひとつで、妙法蓮華経とも言われている経典です。

法華経には、どのような人でも仏の心があり、仏になることができると書かれています。また、お釈迦様はつねに私達ひとりひとりを見守り助けてくれ、仏を信じれば、誰にでも手をさしのべてくれるということも書かれています。

仏を信じて法華経に生きれば、誰もが仏のような心になれ、幸せな道をきり開ける。日蓮聖人は、法華経について「人類の幸福をもたらす最も尊い教え」であると言っていたようです。

南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)

日蓮宗では、「南無妙法蓮華経」という言葉を唱えます。「南無」は、命を捧げて一心に仏を信じることです。「妙法蓮華経」は法華経の教えが全て備わっている言葉であり、これらを口に出すことで、自身の心にある仏の心を呼び覚ますことができます。

日蓮宗02

日蓮宗のお葬式

日蓮宗のお葬式は、以下の流れで行われます。

【1】僧侶が入堂する

【2】開式の辞

【3】総礼(そうらい)・道場偈(どうじょうげ)

総礼:僧俗にならって合掌し、題目を三遍唱えて礼拝する。

道場偈:仏様を招く声明曲(道場偈)を流す。

【4】三宝礼(さんぽうらい)

仏・法・僧の三宝を、立ったり座ったりの起居礼(きこらい)で礼拝する。

【5】勧請(かんじょう)

久遠釈尊をはじめ四菩薩、諸仏諸尊、日蓮聖人を招く儀式。

【6】開経偈(かいきょうげ) ・読経(どっきょう)・咒讃鐃鈸(しゅさんにょうはち) 

開経偈 :法華経の功徳を讃える。

読経  :法華経の中で肝要な諸品を拝読する。(『方便品』など)

咒讃鐃鈸:声明曲を唄い、器楽を演奏して諸仏を供養する。(僧侶が複数名いる場合のみ)

【7】開棺(かいかん)

僧侶が棺前に進み、焼香のあと開棺の文を唱える。中啓(ちゅうけい)で棺の蓋を軽く3回打ちならす。

【8】引導(いんどう)

僧侶は霊前に進み、払子(はっす)を3度振り、焼香を3度した後に引導文(もん)を読む。

【9】焼香・祖訓・唱題

祖訓:日蓮聖人の遺文を拝読する。

唱題:南無妙法蓮華経の題目を唱えながら、焼香を行い、題目が終わるまでに焼香を終わらせる。

【10】宝塔偈(ほうとうげ)・回向(えこう)

宝塔偈:回向の前に唱えられ、法華経の功徳を讃える偈文。

回向:成仏を祈って死者を供養し、死後良いところに生まれることを祈る。

⑪四誓(しせい)・三帰(さんき)・奉送(ぶそう)

四誓:人々を救う誓いの言葉を唱える。

三帰:仏・法・僧の三宝に帰依し、仏道に精進することを誓う。

奉送:仏様をお送りする。

⑫閉式の辞

⑬退堂:僧侶が退堂する。

日蓮宗のお葬式マナー

焼香は1回おしいただく

日蓮宗では、焼香は僧侶が3回、遺族や参列者は1回だけおしいただくという決まりがあります。1度だけおしいただくという行為には、一心不乱に祈るという意味が込められているとも言われています。僧侶の焼香回数にまどわされないように気をつけましょう。

焼香中は「南無妙法蓮華経」という言葉を繰り返し唱えるため、この言葉は覚えておくとよいでしょう。

数珠の形

日蓮宗で使われる数珠は、2本の房と3本の房がひとつずつついた形が一般的です。数珠についている房は、菊房といわれる毬のような丸い形のものがついています。しかし、敢えてこの形のものを買う必要はなく、参列者が持っている数珠を使っても問題ありません。

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