お葬式の豆知識
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自宅葬とは
故人宅で葬儀を行う自宅葬。都心を中心に、最近ではほとんど行われなくなっています。ここでは、良さが忘れられつつある自宅葬のメリットやデメリットとなる点、注意すべき点などをご紹介いたします。
自宅葬とは
自宅葬は、故人宅で葬儀を行うことを言います。葬儀会場で行われるような葬儀とは違い、自由度が高くその家らしい葬儀を行うことができるのが特徴です。最近では自宅葬を行う家が減りつつありますが、これには核家族化やご近所付き合いの希薄化などの時代背景が関係しているようです。ひと昔前までは、2世帯あるいは3世帯の家族が同じ家に住むことも当たり前でしたが、都心へ移住する人の増加により、1世帯で住む家庭が増えてきています。自宅葬ではある程度のスペースが必要であるため、このような変化も自宅葬に足が向かない理由のひとつと言えるでしょう。
●変化しつつある自宅葬
このような時代の流れを受け、自宅葬を選択する人の中では、自宅葬の内容も少しずつ変化していきているようです。
以前までは、近所の知り合いなどを含めて多くの弔問客が弔問に訪れるスタイルが主流でしたが、現在では、ごく近しい人だけで小規模に行われるスタイルが増えています。大人数を呼ばないのであれば、親族のみでゆっくりとした時間を過ごすことができます。また、スペースの確保が難しいマンション暮らしの人などでも執り行うことが可能になるという点でも、都心を中心に増えつつあるスタイルです。
自宅葬の内容
●葬儀社を通さない場合
自宅葬は、葬儀社を通すかどうかを選択することができます。葬儀社を通さない場合は、遺族が中心となってあらゆる手配を自分達で行います。具体的には、以下のようなものを行う必要があります。
遺体の搬送・安置
安置用のドライアイスやシーツなどの手配
死亡届の提出
火葬場の手配
枕飾り、棺、骨つぼなど必要な物の手配
このように見ると、故人が亡くなった後にすべき項目が多岐にわたります。悲しみの中、遺族で全てを行うのはかなりの負担となるので、葬儀社を通さずに全てを執り行うのは現実的ではないでしょう。
●葬儀社を通す場合
葬儀社を通して自宅葬をお願いする場合は、自宅葬に対応している葬儀社を予め探しておくことが大切です。また、自宅葬でどこまでをするのかを、葬儀社の人としっかり話し合うことも必要です。葬儀社へ依頼すればさまざまな手配をお願いできるので、手間も省け、うっかり忘れてしまったということも減るので、迷ったらまず相談してみると良いでしょう。
自宅葬のメリットとデメリット
●メリット
自宅葬のメリットは、何といっても故人が住み慣れた家で最期のお別れができることです。特に病院での入院生活が長く、「家に帰りたい」と言っていた故人の想いを叶えてあげることにもつながります。なかなか同じ時間を過ごせなかった遺族としても、自宅葬なら思う存分ゆっくりとお別れができます。自宅葬では葬儀会場のような制限時間がないため、いつまででも故人と水入らずの時間が過ごせるのも良い点です。
もとからご近所つきあいが密に行われている地域では、自宅葬を行うとご近所の人が手伝いに来てくれることが多くあります。親族のみでおもてなしするというよりは、近所の人も一緒になって葬儀をつくっていくという雰囲気もあるようです。親しみのある家で、親しい人達とわきあいあいとした雰囲気の中で自宅葬を行えば、故人もきっと喜んでくれることでしょう。
●デメリット
一方、デメリットとして考えられるのは、隣人の部屋や家への配慮に気をつけなければならないところです。マンションの一室でも一軒家の場合でも、自宅葬を行う際に出るお線香の香りや、弔問客の出入りによる騒音などが出て、場合によっては迷惑となることもあるでしょう。また、弔問客が多い場合は、駐車スペースの確保やおもてなし料理作りなども難しくなることがあります。自宅葬を行う場合は、弔問してくださる人がどのくらいなのかの目星をつけ、それに合わせて準備をすることが大切です。
自宅葬でのメリットとデメリットを表にしましたので、ご参考ください。
自宅葬のメリット | 自宅葬のデメリット |
●故人を自宅に帰してあげられる
●時間を気にせずゆっくり故人と過ごせる ●終わりの時間を気にせず心置きなく葬儀ができる ●葬儀会場で行うよりもリラックスした状態で葬儀ができる ●参列者に故人の生前の雰囲気を伝えることができる |
●お線香の香りや騒音など、近隣への配慮が必要
●料理や食器の用意など、接待の準備が大変になることがある ●葬儀の手配が大変である場合がある ●後片付けなどが大変 |