お葬式の豆知識
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骨壺とは
お骨を収納する際に使用する骨壺は、地域によって大きさに違いがあります。骨壺の存在は知っていても、実際どのような特徴があるのか、よく知らない人は多いのではないでしょうか。ここでは、骨壺の意味や種類、選ぶ基準などについてご紹介します。
骨壺とは
骨壺は、火葬したお骨を納める壺のことです。骨壺の使用は飛鳥時代頃まで遡り、当時は「蔵骨器(ぞうこつき)」と呼ばれていました。中国から仏教の思想が伝わると同時に発達した火葬では、この蔵骨器が使われていたとされています。火葬・納骨は上流階級の人にほどこされるものであったため、骨壺事態に装飾を施したり、骨壺を納める際に周りを飾ったりすることも多かったようです。江戸時代を抜けて明治時代へ入ると、法律によって火葬することが決められ、骨壺の形状や材質も規格化されるようになっていきました。
このように、時代とともに少しずつ材質や形を変え、落ち着いたのが現在の骨壺の形とされています。
土器から陶磁器へ
骨壺の材質は、はじめは「土師器(はじき)」といわれる素焼きの土器が使われていました。古墳時代に入ると、陶質土器である「須恵器(すえき)」や、木製・金属製の骨壺も出てきます。材質が進化していくのと共に、骨壺の形も少しずつ変化し、壺型、椀形、直方体の櫃(ひつ)型も使われていたようです。
骨壺の素材と形
骨壺に使用される素材は陶磁器が一般的ですが、中には大理石で作られた骨壺やガラス製のもの、金属製のものなども存在します。陶磁器にも久谷焼や備前焼などさまざまな種類があるため、実はたくさんの選択肢があるのです。
骨壺は、一般的には白い円柱状をしており、上部から蓋を閉める形です。骨壺の形状には、白並タイプと切立タイプがあります。蓋と胴部分がかみ合わさる部分の形状が異なり、一般的には切立タイプの方が湿気や水が浸入しにくいといわれています。
最近では、蓋部分や胴体部分にさまざまなデザインが描かれたものや色がついているものも増えています。故人の性別や人柄に合わせた骨壺を選べるのはとても素敵なことですね。
骨壺の大きさ
骨壺の大きさは、納めるお骨の量によって差が出ます。これは、東日本と西日本ではお骨を入れる量が異なります。地域による骨壺の大きさや特徴を以下の表にまとめましたのでご参考ください。
あくまでも参考ですので、お住いの地域の風習で骨壺の大きさが変わるということを覚えておいてください。
東日本 | 西日本 | |
お骨の納め方 | すべてのお骨を納める。 | 頭や喉仏、腕、胸、腰など、主要な部位のお骨のみを納める。 |
一般的に使用される骨壺の大きさ | 7~9寸 (約21~27 cm) | 分骨壺…2~3寸 (約6~9 cm)
銅骨壺…4~6寸 (約12~18 cm) |
男女での骨壺の大きさ | 同じ | 同じ |
その他の特徴 | すべての骨を納めた後、分骨や自然葬などを行うことが多いため、骨壺は処分されることが多い。 | 最近では、すべてのお骨を納めたいという人も増えているため、使用する骨壺の大きさも大きくなっている。 |
骨壺の価格
骨壺の価格は、大きさと素材、デザイン、機能性などによって大きく変わります。素材やデザインにまったくこだわらないのであれば、千円程度から購入することができますが、大理石を使用したり凝ったデザインが描かれたものを選んだりした場合は、数万円になることもあります。
骨壺は、故人の大切なお骨を長期間に渡って納めるものです。デザインも大切にしたいところではありますが、必ずしも値段が高いものが保存性に優れた骨壺ではないということは覚えておきましょう。選ぶ際には、防湿性や密閉性、素材の耐久性などが高いものを選ぶことをおすすめします。