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発祥地はインド

仏教の発祥地はインドです。紀元前6世紀頃に、釈迦牟尼(しゃかむに)によって開かれたと言われています。釈迦牟尼の本名はゴータマ・シッダールタ(あるいはガウタマ・シッダルタ)で、現在はネパールの国土となっている「ルンビニー」という村で生まれました。ルンビニーは「釈迦族」という部族に統治されており、釈迦牟尼の父はその王だったとされています。王子として生まれ、何不自由なく育った釈迦牟尼ですが、29歳で出家します。「生・老・病・死」からは誰もが逃れられず、これを政治では解決できないと悟ったからだと言われています。

出家したあとは修行に励み、仏教の開祖となりました。35歳で悟りを開いてから、80歳で亡くなるまでの45年間の間、人々が苦しみから解放されるための知恵を広めて行ったとされています。

仏教の教え

仏教では、この世にはたくさんの苦しみがあり、中でも「生・老・病・死」からは誰も逃れることができないとしています。裕福であれば貧乏や飢えからは逃れられるかもしれませんが、老いや死は誰にでも訪れるものです。

天災地変や疫病は太古の昔から人々を苦しめて来ましたが、科学や技術、医学などがこれだけ発達した現代においても、やはり人々は天災地変や疫病によって苦しめられています。

この苦しみから完全に解き放たれることは難しく、私たちにできることはこの苦しみを受入れ、苦しみと感じずに生きることが、唯一苦しみを克服する方法だというのが仏教の根本的な考え方です。

 

仏教の教えの出発点は、この世は諸行無常であるという考えにあります。この世にある全てのものは無常、つまり続かなく、そのことに一喜一憂することなく心を安定させることが重要だというのが教えです。仏教は長い歴史の中で様々な宗派に別れ、その教えや思想にも少しずつ違いがあります。しかし、この「諸行無常」については仏教の根本的な考え方であり、全てはここから始まっていると言えるでしょう。

 

日本への伝来

仏教が日本に伝来したのは、5世紀の飛鳥時代だと言われています。諸説はありますが、百済の聖明王の使者が、当時の天皇である欽明天皇に仏像や経典と共に仏教信仰を記した上表文を献上したことが仏教伝来のきっかけとなったと言うのが有力です。

その後仏教をめぐっては賛成派と反対派に分かれるなどの諍いがありながら、広く普及させる一役を担ったのは聖徳太子です。日本書紀によると、聖徳太子は十七条拳法を作った後は政治の場から離れ、次第に仏教の布教に力を注いで行ったとされています。

聖徳太子が大阪の四天王寺や奈良の法隆寺をはじめ日本全土に数多くの寺院を建立したことによって、仏教は広く普及するようになりました。
特に聖武天皇の時代には遣随使、遣唐使などを使者として中国に派遣し、積極的に仏教を学ばせたと言われています。しかしこの頃の仏教は学問の意味合いが色濃く、僧侶たちは宗教者というより学者という位置づけでした。奈良時代には「南都六宗」が盛んで、これらは宗派というよりは学派であったと言われています。

南都六宗とは、法相宗(ほっそうしゅう)、華厳宗(けごんしゅう)、律宗(りっしゅう)を含む三論宗(さんろんしゅう)、成実宗(じょうじつしゅう)倶舎宗(くしゃしゅう)を差し、「奈良仏教系」とも言われます。

信仰としての仏教

仏教が学問から信仰へと変化していったのは、平安時代に入ってからです。政治に口を出すようになった僧侶たちを桓武天皇が一掃し、最澄や空海を中国に向かわせて密教や浄土信仰を学ばせました。

これらは真言宗や天台宗として、民衆の救済を求める思想を持つ宗派として発展して行き、現在では密教系と言われる宗派となっています。これらは高尚な学問だった仏教を民衆の信仰となる仏教へ変化させる大きな流れを作りました。

鎌倉時代に入ると源平争乱や天変地異などによる社会不安から、民衆の救済に重きを置いた「鎌倉六宗」が登場します。鎌倉六宗とは浄土系と言われる浄土宗、浄土真宗、時宗と、禅系と言われる臨済宗、曹洞宗、法華系と言われる日蓮宗がそれにあたります。

禅系の臨済宗、曹洞宗は座禅を重視し、厳しい修行を必要とする宗派ですが、他の四宗派は仏の教えを分かり易く説き、厳しい修行をせずとも念仏を唱えることによって浄土へ導かれるという救いを中心とした宗派であったことから、広く民衆に指示されていきました。

江戸時代に入ると臨済宗から独立して黄檗宗が誕生し、日本で伝統的な仏教の宗派である13宗派は、このようにして生まれて行きました。
発祥地インドの思想を継承しつつも、日本の国土で独自に発展した日本仏教は、江戸時代に施行された檀家制度で全国に広まりました。

檀家制度については「檀家になるべきか」で詳しくご紹介していますので、参考にしてみて下さい。

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