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そもそも戒名とは何か

戒名は、仏の世界における故人の名前のことを指します。戒名が与えられることで仏の世界へ入ることを許され、同時に仏教の戒律を守る証ともされています。

元々は仏門に帰依した際に受ける名前で、仏名(ぶつみょう)と呼ばれていました。この名前が仏の弟子となった証であったわけですが、現在では亡くなった際に授かるのが一般的になっています。戒名という言い方は仏教のほとんどの宗派で使われていますが、浄土真宗では法名、日蓮宗では法号という言い方をします。

戒名は、基本的に菩提寺の住職から授けて頂きます。菩提寺は家系が所属する宗教・宗派に属するものになるため、離檀する際、また改宗する際には、その戒名をそのまま使う事ができないのです。

離檀する際の戒名

菩提寺を離檀して改宗する場合を考えてみましょう。戒名は宗派によってそのつけ方が異なります。そのため、異なる宗派の戒名をそのまま使うことはできません。

改宗を希望する際には離檀とあわせて戒名を返納し、改宗先で改めて戒名を授かる必要があります。

この際気になるのは、離檀料の他に戒名を返納するのに費用がかかるのか?といった点です。まず、そもそも離檀するのに離檀料を支払う義務があるのか、ということから考えてみましょう。

 

離檀料の是非

そもそも檀家制度には契約書があるわけではありませんので、離檀料の支払いに法律的な根拠はありません。

 

もし契約書が存在して、そこに契約解除手数料にあたる「離檀料」の記載があるなら別ですが、檀家制度は先祖代々受け継がれているため、正式な契約書などは存在しないのが普通です。また、すべての寺院が必ず離檀料を請求するわけではありません。

 

では、離檀料は何のために支払うものなのでしょうか。

本来の離檀料は今までお世話になったというお礼の気持ちとして支払うもので、言わばお布施の一つです。

自分は特に世話になった覚えはないと思うかもしれませんが、先祖代々の繋がりを考えると、一族が長い間お世話になって来ているのは間違いないわけです。

また、離檀の際には必ず改葬(お墓を他へ移すこと)や墓じまいが必要になりますし、改葬にあたっては書類の手配が必要になるため、少なからず寺院側に手間をかけることになります。

そういった様々な手続きや対応に対するお礼でもあるのが「離檀料」だと言えるでしょう。

ある程度の気持ちをお礼として支払うのはむしろマナーであると言えます。

 

ただ、万が一檀家になる際に誓約書や契約書のようなものがあり、捺印またはサインをしていた際には話が変わります。そのため、離檀する際にはそういった書類の有無を確認する必要があります。

戒名返納料について

戒名返納に関する費用も、基本的な考え方は離檀料と同様です。戒名を授かる際にはお布施を納めますが、お布施とはそもそも寄付の扱いになります。

「戒名発行」というサービスに対して対価を払っているわけではなく、あくまで気持ちとして寄付をしていますので、請求書も無ければ領収証もありません。

ここがお布施の物品やサービスのやりとりと違うところです。

そのため、離檀と合わせて戒名を返納するからといって、返納料を支払う必要はありません。逆に言うと、返納したからといってお布施を返してくれるわけでもありません。

しかし、前述のように書面としてその記載があり、双方の同意がある場合は別です。

離檀料と同じく、戒名返納料についてもその点は確認する必要があるでしょう。

 

寺院から要求された場合

このように支払いの義務のない戒名返納料ですが、寺院から請求された場合にはトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。

親戚一同が同じ寺院を菩提寺にしている場合などは、自分たちが寺院と揉めることによって親戚一同にも迷惑がかかる可能性があるからです。

まずは親戚に相談し、意見を聞いておくのも良いでしょう。

寺院が要求する金額があまりに高額な場合は、本山に相談するか、弁護士に相談すると良いでしょう。また、あえていくらかのお布施を支払って、円満に話を済ませるというのも一つの手かもしれません。

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