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盛り塩の意味

盛り塩とは、厄除けや開運の願いを込めて門の前や玄関先に置くものです。古来より塩は、穢れを祓い清める意味で使われて来ました。力士が土俵入りをする前に、塩を撒くのにも「お清め」の意味が込められています。神聖な土俵の邪気を清め、鎮めるために塩まきを行うのです。

お通夜やお葬式では参列者全員にお清めの塩が配られますが、これは「死」という穢れや、悪霊を寄せ付けないために、帰宅前の玄関先で身体に振りかけて使います。日本のお葬式は9割が仏式のため、お清めの塩を仏教に由来すると考える人も少なくありません。しかし、盛り塩は実は仏教とは無関係です。そもそも仏教では死を穢れとはとらえておらず、輪廻転生を説いています。そのため死体に悪霊が集まるという思想もありません。お清めの塩は仏教ではなく、神事や日本古来の慣習によって行われているものなのです。

盛り塩の由来

古事記では、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が妻のいる黄泉の国から戻った後、海水につかって死の国の穢れを祓ったと記されています。これが、日本で確認できる最古の「穢れ払い」になります。

また、塩は死体の腐敗を防ぐためにも使われており、不浄なものを寄せ付けないようにするという意味もありました。このように、穢れ払いや不浄なものを清める意味で使われていた塩ですが、玄関先に置かれる盛り塩には、お清めや穢れを祓うのとは別の意味がありました。
紀元前に中国歴史上に表れた最初の王朝である秦の始皇帝は、後宮に3000人の側室を住まわせていたと言われています。
3000人ともなると、毎日別の側室の部屋に通っても全員の部屋に訪れるのは10年近くかかるため、側室たちはどうしたら自分の部屋に皇帝が来てくれるのか、いつも苦心していたといいます。

ある妃が皇帝が移動する牛車に目をつけ、牛が好む塩を玄関先に置いたところ、牛が塩を舐めはじめ、動かなくなってしまったといいます。そこで皇帝は仕方なく、その日はその側室の部屋に寄ることにしたという言い伝えから、塩には千客万来のご利益があると考えられるようになりました。

これが日本にも伝わり、玄関前に盛り塩を置くようになったのは平安時代からだと言われています。お清めの意味と同時に、縁起物でもあるのが盛り塩の特徴です。

盛り塩の作り方

盛り塩は綺麗な三角錐の形をしているのが特徴ですが、どうすればあの形になるのか、疑問に思う人もいるでしょう。以下に、簡単な盛り塩の作り方をご紹介します。

道具

・小皿(直系8~10cm程度のもの)

・塩

・紙(10cm角以上のもの)

・ハサミ

・セロハンテープ

 

作り方

まず盛り塩を乗せる皿の大きさを紙にかたどり、ハサミで切り抜きます。次に切り抜いた円形の紙を半分に折り、真ん中までハサミを入れます。切り込みを入れた部分を重ね合わせるようにして、セロハンテープで止めて円錐を作ります。その円錐の中に塩を入れていきます。型を外した時に形が崩れないよう、出来るだけ硬く詰めるようにします。塩の詰まった円錐を皿の上に置き、型を外せば盛り塩の完成です。

 

盛り塩を交換するタイミング

盛り塩はある程度の期間が経ったら交換する必要があります。盛り塩は穢れを祓うために玄関先に置くものですので、その効力が落ちてきたら交換するのが基本です。
しかし、どれくらい効力があるのかと言っても、なかなかそれを計るのは難しいでしょう。1週間程度で交換できると理想的ですが、なかなか難しいという場合はもう少し長い期間でも問題ありません、但し1か月以上置きっぱなしにするのは考えものですので、最低でも月に2回は交換するようにして下さい。
古い盛り塩についてどのように処分すれば良いか分からないという人もいるかもしれませんが、盛り塩は使った場所で処分するのが良いとされています。玄関で使ったものは軒先に巻いても良いですが、普通に処分するのでも問題ありません。但し、盛り塩として一度使った塩は、食用として再利用するのは避けるようにしましょう。

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