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仏式のお通夜やお葬式では、お焼香をあげる時など要所要所で合掌をするタイミングがあります。お葬式に参列すると、当たり前のように行う行為ではありますが、合掌には本来どのような意味があるのでしょうか。合掌する意味を知っておくと、お葬式に出る際には、より丁寧で深い気持ちで参列することができるでしょう。ここでは、合掌の由来や意味、そして、宗教における合掌の違いについてご紹介いたします。

 

合掌2

 

合掌とは

合掌の由来と意味

合掌をするという行為は、仏教の発祥地であるインドから日本へ伝えられたもので、仏を礼拝する際に両手を合わせる行為のことです。インドでは、右手は清いもの、左手は不浄のものとして扱われています。これと同じようにして、仏教においては右手を仏、左手を衆生(しゅじょう・命あるもの全てという意味を持つ)として表現しています。合掌では右手と左手を合わせますので、仏と衆生が一体となり、成仏を願う気持ちを表現したものとなります。つまり、この合掌という行為は、仏様へ向けて行うものです。

 

日常的に行われる合掌

合掌をするという行為には、成仏することを願うだけでなく、相手への敬意を示し、調和を願うことを表現する場合にも使われます。仏教では、向こう側から来る人とすれ違う際や、別れ際に合掌をすることがよくありますが、この場合の合唱は、相手への敬意を示すものです。

また、仏教では、お手紙の最後を「敬具」ではなく「合掌」で締めますが、この場合も相手への敬意を表しています。

 

お焼香での合掌の際は、誰に向けて合掌するのか?

では、お葬式でのお焼香の際は、誰に向けて合掌するのでしょうか。よく、故人に向けて合掌するのでは?と思われる方もいらっしゃいますが、お葬式の場合では仏様へ向けて合掌するのが正しい合掌の方法です。故人の前でお焼香をする際に合掌する場合は、「故人のことをよろしくお願いします」という気持ちを込めます。

このように、お通夜やお葬式で行うあらゆる儀式や行為についての意味を理解することで、住職の説教やお経の意味の深さなどを感じることもできるようになります。お葬式の儀式それぞれの意味を正しく理解することは、本当の意味で故人への供養になりますし、仏様への敬意を正しい形で表現することができます。

 

合掌1

 

合掌の方法

合掌を行う際は、右手と左手を胸の前でそっと合わせ、親指以外の指先が少し前の方へ向くように傾けます。この時、数珠は左手の親指にかけて右手を添えるか、手を合わせた両親指にかけましょう。手を合わせたら目を閉じ、頭を会釈するほどの角度へ傾けます。合掌を終えた時は、数珠の房が下になるようにして左手で持ちます。

普段から礼拝をする習慣がないとはじめは戸惑うかも知れませんが、ゆっくり心を込めて行えば、周りから見ても気持ちのよい礼拝だと感じてもらえます。周りの人のやり方を身ながら、焦らずに行いましょう。

 

仏教以外での作法と意味

合掌という言い方は本来仏教で使われるものですので、神道やキリスト教では合掌という行為はありません。しかし、礼拝する、あるいはお祈りを捧げる行為の中で、手を合わせるという行為は存在します。

 

神道

神道の礼拝では、軽いおじぎをした後、玉串と言われる榊の枝に紙垂(しで)を付けたものを捧げ、二礼二拍手一礼するという作法が用いられます。この作法は玉串奉奠(たまぐしほうてん)と言われ、仏教でいうお焼香にあたる行為です。

このように、神道では手を合わせて祈りを捧げる行為はなくとも、拍手する際に手を合わせる行為があります。これは、玉串に自分の心をのせて神へ捧げ、穢れてしまった心を清めて心機一転するという決意表明でもあります。

 

合掌3

 

キリスト教

キリスト教では、神へ祈りを捧げる際に胸の前で手を合わせることがあります。手の合わせ方には特に決まりはありませんが、手のひらを合わせ、左右の指を交互にクロスするようににぎる方法と、両手のひらを優しく合わせ、親指で十字架を作るようにクロスさせる方法が最も多いやり方です。手を優しく合わせることで、手のひらの間にできた空洞が温まり、そこへ神が宿るとも考えられています。キリスト教の礼拝は、目を閉じて手を合わせ、神と一対一になって会話することを大切にします。

 

 

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