お葬式の豆知識
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骨上げとは
骨上げは、火葬後に行われる作法のひとつです。ひとえに骨上げといっても、地域によって大きな違いがあります。ここでは、骨上げの意味と地域ごとの作法をご紹介いたします。
骨上げとは
骨上げとは、火葬を行った後に箸で遺骨を拾い、骨壺に納めることです。故人が三途の川を渡り、無事故人があの世へ渡れるように橋渡しをするという想いが込められています。
骨上げの作法
①火葬後
火葬が終わったらお骨の周りへ集まります。通常は、係員が指示してくださいますので、その指示に従って遺骨を囲みます。喪主は骨壺を持ち、遺骨の頭部側へ立ちます。
②遺骨を拾う
骨上げは火葬場にて係員が用意した箸を使用し、二人一組で拾い上げます。拾い上げは故人と関係が深い遺族から順に行うのが一般的です。骨は、足元の骨から上半身の骨へ向かって順に拾います。具体的には係員が指示してくれますので、その指示に従いましょう。
参列者全員が骨上げを行っても拾うべき遺骨が残っている場合は、再び縁の深い順からペアで遺骨を拾います。
③喉仏の骨上げ
骨上げの最後に、喉仏の骨上げを行います。喉仏の骨上げは、喪主ともう一人の近しい親族がペアになり行います。喉仏は厳密にいうと軟骨ですので、実際に骨上げするのは第二頸椎と言われる骨です。この骨が重要視されている理由は、特徴的な形状にあります。第二頸椎は、突起や曲線の感じが、仏様が座禅している姿によく似ています。それがある時に発見されて以来、この骨を最後に大切に骨上げするという習わしが生まれたというわけです。
分骨する場合の注意点
遺骨を分骨することが決まっている場合は、葬儀社の方へ予め伝えておき、骨上げをする際、分骨用の骨壺を用意してもらいましょう。念のため、火葬場の係りの方へ伝えておくとトラブルなく進めることができます。
東日本と西日本の骨上げ量の違い
骨壺へ入れる遺骨の量は、西日本と東日本で大きな違いがあります。東日本ではすべての遺骨を骨壺へ納めるのに対し、西日本では一部の遺骨のみを骨壺へ入れるのが一般的とされています。遺骨を入れる量が違うため、必然的に骨壺の大きさも変わってきます。
西日本では、骨壺へ納めなかった遺骨は火葬場の係員が回収し、共同墓地などへ納められます。すべての遺骨を骨壺へ納める東日本の人には驚かれることかも知れませんが、決して遺骨を乱暴に扱っているわけではありません。
●1873年の条例を境に違いが現れる
このような違いは、1873年(明治6年)に出された火葬禁止令がきっかけだと言われています。火葬禁止令が通達されて遺骨は土葬することになりましたが、土葬場所の確保が難しくなり、条例布告から2年後に、早くも条例が廃止されてしまいます。そして、火葬禁止令が廃止された時から、遺骨や遺灰はすべて持ち帰らなければならなくなりました。
しかし、西日本では喉仏部分など一部の骨を重要視し、それ以外の骨は火葬場へお願いするというスタンスを変えなかったため、東西で骨上げの方法に違いが出たと言われています。