facebookでシェア twitterでシェア
エンバーミングとは

エンバーミングは、エンバーマーと言われる技術者が、故人の体液などを除去して防腐剤を入れることによって、数週間単位での長期保存が可能になる方法です。遺体の状態によっては、外傷がある箇所を修復する作業も行い、その後に整髪や化粧を施して表情を整えます。防腐剤を使用するという点は、シャワーを使って体の表面のみをきれいにする湯灌と大きく異なるところです。

数週間単位での保存が可能

エンバーミングは、もともと土葬することが多い欧米で行われてきた方法で、土葬によって感染症が蔓延する問題を解消する手法として取り入れられています。湯灌や死化粧などのような1~2日しか維持できない保存方法とは違い、数週間単位での長期保存できる方法ですので、すぐにお葬式ができない場合でも、故人の体や顔を生きていた頃と同じようにきれいな状態で保存してあげることができるのです。また、海外で亡くなった方を日本へ帰す場合など、お葬式を行うまでに一週間以上の時間を必要とする場合にも役立ちます。大切な家族ですから、火葬までの間はきれいな状態で保存してあげたいものですね。

エンバーミング3

エンバーミングの利点

エンバーミング主な利点は、以下の3つです。

健康だった時の状態へと修復し、近づけることができる

エンバーミングの処置を施すことで、故人はさっぱりとした身なりで安らかな表情になり、まるで普通に寝ているかのような状態へと変化します。清潔な身なりになるのは湯灌でも同じですが、エンバーミングでは外見の修復作業を行うため、よりきれいな状態へと戻すことが可能です。また、臨終前はやせ細ってしまっていたり遺体に損傷があったりする場合でも、健康だった時の状態へと近づけてあげることができるのも、エンバーミングの良い点です。

感染症の心配がなくなる

エンバーミングでは、見た目の修復作業と同時に防腐処理が施されます。感染の元となる体液が抜かれ、遺体の損壊や細菌増殖の進行を抑えることができるため、感染の心配がなくなります。よって、お子様やお年寄りの方等、免疫力が弱い方でも安心して体に触れることができ、心行くまで最期のお別れをすることができます。

体を冷やさず眠っているような状態に近づけてあげられる

エンバーミングのもう一つの大きな利点は、ドライアイスを置いておく必要がない点です。ドライアイスの冷たさから解放することで凍えているかのように感じてしまう事もなくなり、故人がまるで安心して眠っているような状態にしてあげることができます。エンバーミングは、故人と最後の時間を過ごすご遺族の悲しみを和らげることにもつながります。

エンバーミング4

エンバーミングの費用

気になるエンバーミングの費用ですが、15~25万円くらいが一般的とされています。金額は遺体の大きさや状態によっても変わりますが、これらの処置の金額は、日本遺体衛生保全協会(IFSA)によって定められているため、葬儀社によって大きな変動はないようです。金額の中には、往復の搬送費用、エンバーミングの施術費用、着せ替えとメイク費用、お葬式中の手直しサービスなどが含まれていますが、これらは葬儀社によって多少の違いがありますので、必ず明細をもらい確認しましょう。また、オプションとして防水シーツや仏衣、プラスチックスーツなどが必要となる場合もありますので、葬儀社のスタッフからしっかりとした説明を受けましょう。

費用を検討するにあたって

エンバーミングの費用が高いか安いかは個人の感覚によるものも大きいかとは思いますが、一つの判断基準として湯灌やメイクの費用と比較してみるのは有効です。エンバーミングの費用の中にはシャワーやメイク代も含まれていますので、湯灌の費用とメイクの費用を足した金額と比較して、どちらが高いかどうかを判断してみると良いかも知れません。エンバーミングを行えばドライアイスが不要になるため、その費用も浮くことになる点もポイントです。ご家族でしっかりと話し合い、故人との最後の時間に悔いの残らないよう、最善の方法で、最高のお見送りをしてあげましょう。

エンバーミング2

関連する記事

Related Articles

お葬式の豆知識

カテゴリで記事を探す

Category Articles